ブランドストーリー/後篇

biz+uはどうしてできたのか、どうやって育ってきたのか。私(金島(横山) 加代子)がファーストサンプルを手にしてから現在までのお話をまとめています。私と同じ想いを持つ方の参考になりましたら幸いです。

金島(横山) 加代子のプロフィールはこちら
前篇のストーリーはこちら


2016年4月/遂にサンプル完成

一目見ただけで感動

待ちに待ったファーストサンプル完成の連絡を受けて、2016年4月15日に有給休暇を使って工房を訪問。一目見て「わぁ!すごく素敵なバッグですね!」と心の底から感動しました。

革と金属の組み合わせ、リュックの大きさ、いろいろ心配していたことがありましたが、実際のサンプルをみたらなんとも上品な感じに仕上がっていました。あまりに浮き足立っていて、仕様通りにできているかどうか、職人さんが工夫してくれたポイントとか、ろくに確認もせず打ち合わせを終えてしまうほど。とにかく触って、荷物を入れてみて「いいですね!」を連呼していました。

この時のファーストサンプルはこの後しばらく使っていました。4年以上たった今でも丈夫ですし、革の風合いがでてより魅力的になっています。とても愛着のある相棒です。

ファーストサンプル

2016年秋/行動が仲間を呼ぶ

想いだけでは伝わらなかった本気度

ファーストサンプル使い続け、私と同世代の女性6名にサンプルを見せて辛口意見をもらい、セカンドサンプルに向けて改善点をまとめていきました。

勉強会や研究会など、知人と挨拶する機会があるたびにリュックのことを話していました。以前「作りたいんだよね」と想いだけを語っていたときに比べて、「これがサンプルなんだけど」と行動した結果を見せると、本気度を感じた仲間が次々とアドバイスをくれるようになりました。

「本気だったの?すごいじゃん!」という言葉に、これまで行動してきて良かったなと感じることも増えてきました。

当時参加していた勉強会

2016年冬/チャレンジの幕開け

欲しかったのは私だけじゃなかった

セカンドサンプルもできあがり、改めてグループインタビューを実施し手応えを感じていた頃。会社の集まりで後輩の女の子に声をかけられました。
「そのリュックどこで買ったんですか?私も欲しいです!仕事で使えるリュック探してるのになかなか無くて」

この後輩の女の子は、私のバッグづくりのことを知らないので、客観的に見て欲しいと思ってくれる人がいたことが分かって一気に自信が湧きました。もっと働く女性の力になりたい。困っている人たちがもっといる。そう確認した私は、リュックを販売することに決めました。そうなると、リュックにも名前がほしい。さまざまなアイデアを募りたくて、クラウドワークスでブランド名を募集しました。

1000個を超える応募から決まった名前は「biz+u」。ブランド名を選びながらも、より事業の軸と私の信念が強固になっていったのを覚えています。
当時のクラウドワークスのページはこちら

ブランド名も決まり、さあ販売!と決めたもののどうやって売ればいいのか。工房の話では、最低ロットは20個。一旦20個作って、1〜2年かけて売り切ればいいかな?と考えていたところ、私を支援してくれていた方の助言でクラウドファンディングを使ってみたら?という助言がありました。

クラウドファンディング…聞いたことはあったけれど、そんなに壮大なチャレンジじゃないし本業でもない。及び腰になる気持ちが強かったけれどやってみなくちゃ分からないし、えいや!と申し込んでみました。

すぐに折り返しの電話があり、面談へ。当時のクラウドファンディングは男性ユーザーが多く女性向けのプロダクトの成功事例は少なかったそうです。リュックブームの高まりとサンプルまで作っていたことの本気度が伝わりGOサインがでました。

私の運命を変えたクラウドファンディング「Makuake」、その挑戦がスタートしました。

Makuake用に丸ヨ片野製鞄所さんを訪れ写真撮影

2017年1月/ひとりで感じた限界

やることたくさん、時間は僅か…

「Makuake」でのプロジェクト実行に向けて準備を始めたものの、とにかくやることがたくさん…。写真や文章の素材準備から、価格設計、リターンの検討、プロモーション施策などなど…

この頃、本業の仕事で週に2〜3日は新幹線に乗って出張をしていました。同僚はホテルに泊まり、小さな子どもがいる私は日帰り。帰宅してから家事や育児をこなし、子どもを寝かしつけて明日の準備が終わるころはもう深夜。ベッドの中でスマホ画面を見つめながら文章を考えるも、あまりのやることの多さに限界を感じ、初めてこの活動が苦しいと思いました。

しんどかったあの頃…

2017年2月/仲間集め

限界を感じていた私を救ってくれたのは、たくさんの仲間でした

このままではダメだと思い、クラウドファンディングに協力してくれる仲間を集めることに。これまでに仕事で出会った方や、中小企業診断士の仲間に声をかけ、すぐに10名以上集まってくれました。

遠方からも協力してくださる方もいて、Facebookのグループを作りブロジェクトを開始。

一人では考えられなかったこともできるようになり、いてくれるだけで気持ちが救われる。仲間の大切さを改めて感じました。

Facebook グループで毎日のようにやりとり

2017年3月/Makuake開始

キッフオフからMakuake開始までのあっという間の1.5ヶ月

プロジェクトメンバーでキックオフ。大きくデザイン班とプロモーション班に分かれ、Makuakeプロジェクトスタートまでの1.5ヶ月でさまざまなことを実施しました。中には予定していなかったメディアへの掲載や、メディアサイトへの広告掲載など、仲間のツテのおかげで、可能性を広げることができました。

そして満を持してMakuakeスタート。プロジェクトをスタートした4/14の翌日には、目標金額の50万円を達成。その後も仲間たちのプロモーション活動は続き、6/29の最終日にはサポーター数は102名、応援購入総額は338万円となりました。

Makuakeのページはこちらからご覧になれます。

クラウドファンディングは677%達成の大成功!

その後

まだまだ私の挑戦は続いています

Makuakeでの挑戦が終わった後には、この経験を生かした勉強会を企画したり、私自身が講師となりさまざまなところで講演したり。このプロジェクトの成功がきっかけで活躍の幅が広がりました。

そしてbiz+uの方は、リュックに新色を追加しバッグにも改良を重ねていますし、新たなバッグの企画も行っています。

「誰か私の鞄を作ってくれないかな……」から始まったbiz+uの物語。私が行動を重ねたくさんの仲間に支えられ、その結果多くの働く女性の味方になれているのだと感じています。

最後に、私の背中を押してくれた方々、私に意見やアドバイスをくれた方々、私の想いに賛同して協力していただいた方々、私のことを見守っていてくれた家族。本当にありがとうございました。皆さま一人一人との出会いやお力添えがあったからこそ、今のbiz+uが存在しています。この場を借りて御礼申し上げます。

<Makuakeを手伝ってくれた仲間>
村上 知也さん
向後 潤一さん
奥村 宏明さん
菊田 朋幸さん
園田 泰造さん
高田 直美さん
高橋 光久さん
武井 綾子さん
中村 かおりさん
三浦 正樹さん
三上 友美恵さん
植村 晃紀さん

私の挑戦は、まだまだ続きます。


4年の歳月をかけて形になったbiz+uは、モノづくりや素材にとことんこだわっています。